
株式会社
リアルコミュニケーションズ
代表取締役CEO
鈴木秀則(すずき・ひでのり)

大学卒業後、新聞社に入社し、記者として経験を積んだ鈴木秀則。 しかし、インターネットの出現でマスコミの限界を感じ、起業を決意。アジア雑貨のインターネットショップを開設する。売上げは順調だったものの、物流の壁にぶつかった鈴木は、インターネットショップの新たなマーケットの仕組みを生み出すべく、リアルコミュニケーションズを設立。「WEB2.0」の技術を使ってEコマースの業界を革新するムーブメントを生み出そうとしている。
「日本版アマゾン」を目指すとは大げさに聞こえるかもしれませんが、国内、海外の中小企業のエッジの立った商品を自由に取引するEコマースの新しい形を生み出すことが目標です。将来は、新しいアイデアに敏感でハートの強いベンチャースピリットを持った人材と一緒に、商品数、取引数において「アマゾン超え」を目指したいと思います。

ひとことで言うと「ECプラットフォームのプロバイダ事業」です。商品を巡る流通の取引は、3つのプレイヤーに分かれます。商品の「作り手」であるサプライヤー(S)、「売り手」であるバイヤー(B)、「買い手」であるコンシュマー(C)です。これら3つのプレイヤーが「すべて」ウェブ上のマーケットプレイスで取引できる仕組みを提供するのが私たちの事業です。これらをStoB取引の「リアルマーケット・コーポレート」、BtoC取引の「リアルマーケット・ドロップシッピング」、CtoS取引の「リアルマーケット」で提供しています。
私たちの特徴はこれらの3つのウェブサービスで、商品情報や物流施設のプラットフォームを1つのシステムで統合していることです。これによって、水道や電気と同じように企業や個人が安価で安心して使えるEコマースの社会インフラとなることを目指しています。
さらに、私たちのウェブサービスでは、生産者⇒販売者⇒消費者と商品の取引がマーケット内部で「循環」していく仕組みになっています。取引ごとに付加価値が加えられていき、最後に消費者(C)が商品を評価することによって、生産者に付加価値がフィードバッグされていく構造を作り出しています。
社会学、生物学の理論では「オートポイエーシス(Autopoiesis)」理論という最新の考え方が広がっていますが、私たちはウェブ上での循環型マーケットを作ることでこの理論をマーケットシステムに応用することを目指しています。

大学卒業後は、朝日新聞社に入社して地方で記者をしていました。しかし、双方向のメディアであるインターネットが台頭してくると、メディアからの一方通行の発信になるマスコミに疑問を感じ始めました。そんな時、異動の話が来ましたが、そこでこのまま会社に残って新聞記者として仕事をするか、あるいは会社を辞めて起業するかで迷いました。最後には、悔いを残したくない、という思いから、起業を選びました。

最初は「リアルアジア」という輸入雑貨のネットショップを起ち上げました。きっかけは、記者時代にたまたまタイのバンコクに旅行に行ったことです。もともと文化人類学的なものには興味があって、そういったアジアの銀細工や織物、染物をたくさん買って帰ってきました。その雑貨をインターネットで売ってみたら、商品を出せば完売という状況になりました。これにはびっくりましした。
しかし、ネットショップで雑貨を売るのは難しいということに気がつきました。雑貨ショップとしては品揃えの数が大切、常に新しい商品を増やさなければいけない。しかし、多品種の商品を持つと、在庫が増えてしまったり、管理が難しくなってしまったりしてしまいます。小規模なネットショップが抱えるこの「流通の壁」を解決するために、経済産業省からも補助金も得て今 の「リアルコミュニケーションズ」を起ち上げたんです。

分かりやすくストーリー仕立てにしています。「中国の山岳民族のおばあさんが作った銀細工の指輪を、沖縄で文化人類学を学んでいる大学生がネット上で売って、旅行好きなのに子育てで忙しい東京の女性が買う」。つまり、私たちが作ったECプラットフォームの上を多様な商品が多様な人の手を経て自由に取引されることを目指しています。
具体的には、総合商社などと協力して国内の中小生産者の「ロングテール」商品をDB化。商品はネットショップ、ドロップシッパー、アフィリエーターなど多様なマーチャンダイジング手法で消費者に販売していく。
そして、消費者は商品のレビューやアンケートの形でマーケティングデータをアウトプット。 生産者は商品改良や新商品開発につなげるという循環型のマーケットです。この仕組みを当社が開発するマーケットシステムとして提供したいと思っています。アマゾンはひとつブランドで売る「エブリディロープライス」のウォルマートモデル。私たちは、日本の縁日やアジアの市場のように多様な「店長さん」たちが思い入れを込めて商品を売るバザールモデルです。その意味で、アマゾンよりもWEB2.0的だと思っています。

ベンチャースピリットを持ってセルフドライブができる人。簡単に言うと、自分で考え、自分で動き、結果責任を負える人ですね。例えば、「いま流行りのITベンチャーだから」という気持ちで入社すると、まず依存心という壁にぶつかります。自分で考えて自ら動かずに、会社や他人に頼ってしまう。こういった依存心と戦って勝ち残った人がベンチャースピリットを持った人だと思うんです。優秀な人ほどベンチャー企業を目指して欲しいし、成長して自ら起業できる経験、スキルを持って欲しい。私たちはそういう人間をぜひ育てたいし、サポートしたいと思います。当社出身の起業家が「RCスクール出身」なんて呼ばれたら最高ですね(笑)。
経営者のメッセージ、会社の理念がぶれないで、きちんと説明責任(アカウンタビリティー)が果たせることが最初だと思います。スタッフが会社の将来像と自分のキャリアプランがイ メージできること。会社が「公器」として社会貢献を目指すことで、自分の仕事と社会とのつながりがはっきりと見えていること。当社はまだ小さいうちからはっきりとしたビジョン、ミッションを作りこんでこれたと思います。ただし、ベンチャー企業の本当の魅力は「会社の魅力」ではなく、「会社の魅力作りに参加できること」だと思います。スタッフが自由にアイディアを発案して、すぐにでも実行できる「インフラ」がベンチャー企業には必要だと思います。

「アーティストであれ/アスリートであれ」ということです。アーティストというのは、既存の枠組みにとらわれず自由に発想して、多様なアイデアをどんどん作り出す人間のこと。そしてアスリートというのは、そのアイデアを鍛え上げて、責任を持ってプロジェクトを実現する人間のことです。
これは会社のアクションアイデンティティ(行動指針)ですが、一番伝えたいメッセージはこれです。それから、「世界」を意識して欲しい。日本のIT企業が「グーグルは・・・、アマゾンは・・・」とアメリカの後を追うのではなく、日本独自の発想力で世界に通用するムーブメントを 生み出していくべきだと思います。リアルでは「日本型WEB2.0サービスを作ろう」をキャッチフレーズにしています。リアルはまだまだ創業期なので、そんな志を持った人とぜひ一緒に会社を創り上げて、それを実現していきたいと思っています。
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